社長、社内恋愛は禁止のはずですが
早速、私は南條から託された案件を弥生に渡した。

「この二件?」

「うん。弥生にぜひ頼みたい。」

「ふーん。」

資料に目を通した弥生はしばらく黙っていたが、やがて真剣に頷いた。

「いいよ。私がやる。」

その頼もしさに、胸がじんと熱くなる。

「あとは、加藤さんと佐沼さんに一件ずつお願いしたいの。」

呼びかけると、ふたりは嬉しそうに小走りで近づいてきた。

「本当ですか!」

「ありがとうございます!」

目を輝かせるその姿に、思わず笑みがこぼれる。

入社して三年目――そろそろ自分の案件を持ってもいい頃だ。

彼女たちにとってもチャンスになるはずだった。

「水城さん、社長案件も持ってるんですよね。」

「うん。」

答えると、加藤さんがキャピキャピと声を弾ませた。
< 47 / 273 >

この作品をシェア

pagetop