社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「私も手伝わせてください!」

「あー! ずるい綾女。私もやりたい! 社長案件!」

もう一人の後輩が声を上げ、私は一瞬固まった。

――社長案件は、私が背負うべきもの。

初めて案件を任される彼女たちに渡すわけにはいかない。

「ええっと……」

言葉を探していると、弥生がすっと口を開いた。

「新米のあなたたちに、社長案件を任せるなんてできないでしょ。」

きっぱりとした声に、二人は同時に「ぶーっ」と口を膨らませた。

まだ25歳。可愛らしさと、社会人としての責任の間で揺れる年頃。

だからこそ、勢いだけで言ってしまったのだろう。

「さあ、この案件をやり通して。まずはそこで結果を出してからよ。」

弥生は私が割り振った案件を、二人の前に置いた。
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