社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「……弥生。」

自然と声が漏れた。

私が言いにくいことを、代わりに伝えてくれる。

まるで背中を支えてくれているみたいで――胸の奥が温かくなる。

「まあ、主任になったばかりで言いにくいこともあるでしょ。」

弥生は軽く笑いながら、私の背中をぽんと叩いた。

本当に……弥生みたいな人が同期で、仲間でよかった。

「正直……社長案件は私が任されているから、他の人に任せるのはどうかなって思ってるの。」

その言葉は、弥生だからこそ打ち明けられた。

胸の奥に溜まっていた不安を、少しずつ外に出すみたいに。

「……そうなんだ。」

弥生は短く返し、しばし考え込むように資料に目を落とした。

「でも、弥生がサポートしてくれるなら、私は全力で社長案件に集中できる。」

正直な気持ちを重ねると、弥生はふっと顔を上げて笑った。
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