社長、社内恋愛は禁止のはずですが
微笑んだ高峰社長の横顔は、やっぱり誰よりも素敵で――胸の奥がぎゅっと熱くなった。

「ありがとうございました。お陰で、疲れも吹き飛びました。」

そう言った瞬間、高峰社長の手がそっと私の頬に触れた。

「それはよかった。」

優しい声。真っ直ぐな瞳に、私が映っている――それだけで胸がいっぱいになった。

やがて車は私の自宅前に停まる。

心臓が高鳴るのを押さえながら、思い切って口を開いた。

「あの……また、こんなふうに高峰社長と一緒の時間を過ごしたいです。」

「うん。」

短く返されたその言葉が、夢のように甘くて耳に残る。

「俺もそう思ってた。」

「……社長。」

名前を呼ぶだけで、熱くなった胸の奥が震えた。

ドアを開け、外の空気を吸い込む。

「ありがとうございます。」
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