社長、社内恋愛は禁止のはずですが
あの……ドキドキした鼓動が、社長に伝わってしまう。

胸を押さえると、彼はふっと微笑んだ。

「後ろの席に行こうか。」

「えっ?」

そう言って社長は後部座席へ移動し、座席を大きくリクライニングさせた。

そして、車の上部にあるスイッチを押す。

静かな音と共に天井が開き、夜空が広がった。

「窓越しなんだけど、星が見えるんだ。」

手招きする社長に、私は思わず靴を脱ぎ、恐る恐る後部座席へと足を踏み入れる。

「わあ……綺麗。」

広がる星々に感嘆の声が漏れた。

「だろう?」

社長は私の隣を軽く叩き、横になるよう促す。

そっとシートに身を横たえると、目の前には満天の星空。

そしてすぐ隣には――私を見つめる高峰社長の瞳。

胸の鼓動がまた速くなり、星の瞬きと同じリズムで鳴り響いていた。
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