社長、社内恋愛は禁止のはずですが
見つめ合う瞳に映るのは、孤独を知る者同士だからこそ分かり合える痛みと――確かな絆の始まりだった。

「信頼を取り戻すには、実績を積むしかない。今回の新プロジェクトが、遥香にとって信頼を取り戻すものになってくれたら嬉しいよ」

社長の瞳に、真っ直ぐな思いやりが宿っていた。

――私のことを、こんなにも考えてくれている。

胸の奥が熱くなって、もう抑えきれなかった。

ちょっとだけ、調子に乗ってもいいですか。

私はそっと社長の胸元へと身を寄せる。

「遥香?」

驚いた声が頭上から降ってきた。でも顔を上げる勇気はない。

「社長には……私がいます。」

必死の思いで口にした言葉。

震える声だったけれど、心からの本音だった。

「何があっても、私は社長の味方ですから。」

ぎゅっと胸元の生地を握りしめる。
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