社長、社内恋愛は禁止のはずですが
次の瞬間、社長の腕がふわりと私を包み込む。

鼓動が重なり合い、世界にはもう、私と彼しかいなかった。

「遥香。俺を見て。」

低く囁かれ、そっと顔を上げる。

社長の瞳がまっすぐに私を射抜き、心臓が大きく跳ねた。

「……俺、今でもこのやり方が正しいのか迷う時があるよ。」

吐き出すような弱音。けれど次の瞬間、指先が私の髪に絡み、温もりが伝わってきた。

「でも……今の遥香の言葉を聞いて、勇気が出た。」

距離が縮まっていく。息が触れ合いそうで、視線を逸らすこともできない。

「遥香。側にいて欲しい。」

その一言のあと、唇が重なった。

「んっ……」

熱にのまれるような、深く激しい口づけ。

体の芯まで痺れて、呼吸すら忘れそうになる。

社長の腕が強く背を抱き寄せる。抗えない。
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