社長、社内恋愛は禁止のはずですが
袋を抱えて店を出ると、夜風が頬を撫でた。もう、週末が待ちきれなかった。

そして、週末のパーティーの日になった。

待ち合わせてタクシーに乗り込むと、隣に座った高峰社長がそっと私の手を握ってくれた。

心臓が跳ねて、思わず息を呑む。

「そのドレス、似合っているよ。」

低い声で告げられ、私はぱっと顔を上げた。

「ありがとうございます……」

声が震える。胸の奥まで熱が広がっていく。

「見間違えた。」

さらりと続いた一言に、耳まで真っ赤になった。

――よかった。あの時、店員さんを信じて選んでよかった。

思わず視線を移すと、社長もタキシード姿。

黒のジャケットに整った立ち居振る舞い。眩しいくらいに完璧で、誰よりも似合っていた。

「社長も……」

勇気を振り絞り、口に出す。

「お似合いです、その恰好。」
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