社長、社内恋愛は禁止のはずですが
言い終わった瞬間、さらに心臓が鳴った。

こんなことを言えるなんて――私だって少しずつ変わっているのかもしれない。

社長の横顔がわずかに和らぎ、手を握る力が少し強くなった。

それだけで、今夜は忘れられない夜になると確信した。

そして私たちはパーティー会場に足を踏み入れた。

シャンデリアが輝き、流れる音楽は優雅で、目に入るのは綺麗なドレスに身を包んだ女性ばかり。

宝石のようにきらめく笑顔と、溢れる自信。

私は一瞬で気圧されてしまった。

「ごめん。このパーティー、社長令嬢とかも来ていて。」

高峰社長が申し訳なさそうに囁く。

「なぬ⁉」

御曹司だけではなく、社長令嬢まで!? これはもう別世界じゃないの。

「俺はやたら話しかけられるけど、気にするな。」
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