社長、社内恋愛は禁止のはずですが
そんな中、思わぬ人物が現れた。

「直哉君。これはうちの娘で、みどりというんだ。」

姿を見せたのは、上品な笑みを浮かべた令嬢。

流れるような緑色のドレスが、彼女の名前を象徴するかのように映えている。

「お美しいお嬢さんですね。」

社長がにこっと笑ってそう告げた瞬間、胸がズキンと痛んだ。

社長が「美しい」と口にするなんて……。

それだけ、この父親が重要なポストにいる人物だからなのだろう。

「どうだね?婚約してみるか?」

――えっ⁉ 婚約!? 今日会ったばかりで!?

耳を疑うような言葉に心臓が止まりそうになる。

「ははは。今日会ったばかりですよ。」

直哉はさらりと笑ってかわす。

けれど周囲は「本気にする人がいてもおかしくない」雰囲気。
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