本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「大丈夫か?」


 低い声がすぐ耳元で響く。あたたかい手が背中をそっと押さえ、ぐらついた体を安定させる。


 「う、うん」


 慌てて顔を上げると、至近距離で青葉と目が合った。莉乃の頬にかかるやわらかな息遣いが、やけに意識される。


 「莉乃って結構そそっかしいよな」


 青葉は小さく笑いながらゆっくりと腕を解いていく。けれど、莉乃の鼓動はまだ速いままだ。


 「ま、そういうギャップが魅力ともいう」
 「と、とにかくご飯できたから。なにか着たら来て」


 早口でそう言い置き、莉乃は寝室を飛び出した。

 向かったキッチンでコーヒーメーカーのスイッチを入れ、カウンターに手を突く。動揺したせいで呼吸が整わない。

 (ギャップが魅力ってなに……)
< 125 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop