本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「ああ。姉貴とふたりで話したいことがあるとか」
 「……私とふたりで?」


 なぜ?と首を傾げる。


 「俺も同席したいと言ったんだけど、山城社長たっての申し出だそうなんだ」


 どうしてふたりきりでなくてはいけないのか。解せなくて、ついしかめ面になる。
 故意か過失か、手を握られたときのことが蘇ったせいである。


 「今夜は予定が入っていると言って断ろうか」
 「……ううん、行く」


 一拍置いて首を横に振る。


 「大丈夫か?」
 「今は、あの店を手に入れるのが最重要課題でしょう? 機嫌を損ねて契約を止めると言われたら元も子もないから」


 あの場所に出店する計画はどんどん進んでいる。怯んでいる暇はないのだ。


 「でも」
 「大丈夫よ。変なことされそうになったら逃げるから」


 心配そうな航希を一蹴し、莉乃は今度こそコーヒーを飲んだ。
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