本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 不意打ちすぎる。拒む理由はない。でも、驚きが先に立つ。
 どうしたの?と言おうとしたが、喉の奥で言葉が止まる。青葉の腕はしっかりとあたたかく、静かに莉乃を包んでいた。


 「余計なことは考えなくていい」


 いつもより低く穏やかな青葉の声が、耳の近くで響く。
 仕事、山城、契約――。頭の中を巡っていたあれこれが、ふっと遠のいていく。ゆっくりと青葉の背中に手を回す。


 「ありがとう」


 青葉が微笑むのを感じた。

 (なんだろう……ドキドキするのに、すごく安心もする)

 抱擁は長くは続かなかったが、それだけで十分だった。一日の終わりに、心が静かに解けていく。


 「そうだ。莉乃に見せたいものがある」


 青葉はソファの隅に置いていたものに手を伸ばした。

 (なんだろう。……絵?)
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