本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 その横で、望より年長クラスの女の子が楽しげに話しかけていた。


 「これ、ママといっしょにつくったの!」


 そう言ってキーホルダーのようなものを望に見せる。


 「……ママ?」
 「あ、のぞむくん、いないもんね」


 悪気のないひと言を聞いた瞬間、青葉は胸が締めつけられるのを感じた。

 望は元気に育っている。二年前、生後半年だった彼を迎え入れたとき、どれほど自分が戸惑ったか。それでも、仕事と育児をどうにか両立しながら彼を守り、育ててきたつもりだった。

 しかし今、目の前の出来事を目の当たりにして、見落としていたものがあるのではないかと思う。
 望はママという言葉に反応し、ほんの一瞬、寂しそうな顔をした。

 それは気のせいだろうか。たったひと言の会話に過敏になりすぎているのかもしれない。だが、それでも青葉の胸の奥にふと過る不安があった。

 家で、望は甘えてくる。寝る前には必ず青葉の腕を掴んで離さない。夜泣きも減り、笑顔は増えた。だけど母親がいないことを意識しはじめる年齢なのかもしれない。
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