本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 そう言ってその場を立ち去ろうとしたが、「ちょっと待て」と青葉が腕を掴む。その拍子にバッグがフロアに落ち、中から手帳が飛び出した。しかもおにぎりセイバーのイラストを練習したページがタイミング悪く開く。


 「あっ」


 莉乃が手を伸ばすよりも早く、青葉が手帳を拾い上げる。流れるような動作だった。


 「これ……」
 「な、なんでもないの。暇だったから描いただけ」
 「おにぎりセイバーを?」


 その口調に微かな驚きが混じっているのがわかり、莉乃は思わず顔を赤らめた。由佳に対抗意識を燃やしているみたいで恥ずかしい。


 「だから、ほんとにただの落書きなの」


 手帳を奪い取るようにしたところで、望がトコトコと現れた。


 「パパ、おふろ」
 「望くんが待ってるから」
 「あ、ああ」


 流されるように青葉が頷く。
 無理やり彼をバスルームに追い立て、莉乃は手帳を抱え込み、深く息を吐いた。
< 184 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop