本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
山城から連絡があったのは、その翌日だった。
「押印した契約書をいただけるということでしょうか」
『そうですね。ただ、細かい部分で調整が必要かもしれません』
山城の口調は落ち着いていたが、どこか含みのある言い方だった。
『ともかく今夜、お会いしましょう。お話はそれからということで』
(今夜……?)
山城の言葉が妙に引っかかる。
仕事の話なのはわかっている。しかし今夜という言葉に裏があるように思えてならない。
「今からお会いできませんか?」
『あいにく夜まで時間がとれないんですよ。夏目社長もお急ぎでしょう?』
あの場所を欲しくて焦っている莉乃の心情をわかっているから、敢えてそうして釣るのだろう。
断るべきか。いや、そんな理由はどこにもない。契約の話なら、むしろ会うのは当然だ。
(……気にしすぎよね)