本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 わずかに躊躇する気持ちを押し込める。


 「承知しました」
 『では午後七時、この前の店でお会いしましょう』
 「この前の?」


 格式高い料亭だ。


 『お気に召しませんか?』
 「……いえ。では、副社長の寺西も――」
 『夏目社長おひとりでお越しください。お待ちしていますよ』


 航希も同席させようとしたが、一刀両断された。
 通話が切れ、肩を上下させて息を吐く。


 「山城、なんだって?」
 そばで耳をそばだてていた航希が話の内容をねだる。この頃はすっかり敬称を略し、山城を呼び捨てだ。


 「この前の料亭に来るようにって」
 「俺も行くよ」


 航希は間髪入れずに口を開いた。
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