本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「いえ、私ひとりで行くわ。山城社長の機嫌を損ねて、また契約を先延ばしにされたら元も子もないでしょ?」
 「でも、あそこは……」
 「あそこは、なに?」


 妙なところで言葉を止めた航希に聞き返す。


 「あ、いや。ともかくひとりは危険な気がする」
 「お店の人だっているから大丈夫よ。それに、なにかあったらすぐに逃げるわ」


 この前もそうして退室できたから問題ない。隙を見せずに毅然とした態度を貫けば、何事もなく終わるはず。今はなにより、契約を成立させることが優先だ。

 腕を組んで考え込んでいた航希は、しばらく沈黙したあとゆっくりと息を吐いた。


 「それじゃ、絶対に無理はしないと約束して」
 「わかった。約束する」


 幼かった頃のように指切りまでして、航希は念を押した。
< 187 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop