本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 望のお迎えは夕方。時間的な余裕ならまだあるから、付き合えたのにと残念だ。


 「また今度な。そのときはよろしく」
 「わかった。遠慮せず言ってね。なんでもプレゼントするから」
 「今の言葉、忘れるなよ?」


 冗談めかした青葉音の口調に、莉乃は「もちろん」と笑い返した。

 ロビーを横切り、セキュリティーゲートが目前に迫ったそのとき、莉乃はエントランスの出入口に立っている女性の姿に気づいた。それが誰なのかわかるより早く、胸がざわつく。

 青葉の大学時代の友人、由佳だ。


 「……あれ? 由佳じゃないか。こんなところでどうしたんだ?」


 青葉は僅かに歩くスピードを上げ、彼女に近づく。数歩遅れ、莉乃は青葉の隣に立ち、会釈した。


 「あ、うん、ちょっと話があって」


 莉乃をちらっとだけ見た彼女が青葉に笑みを向ける。
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