本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 おにぎりセイバーのカラフルな遊具が夕暮れの薄日に映えるが、望の小さな姿はどこにもない。スライダーの下、ブランコの裏、砂場の隅、一つひとつ確認するたびに胸のつかえが酷くなる。


 「望くーん! どこにいるのー?」
 「望、迎えにきたぞ。出ておいでー!」


 ふたりの声はかすれ、公園に響く叫び声が空しく返ってくる。遠くでは由佳の声も聞こえた気がするが、望が「りの」と呼ぶ小さな声はどこからも聞こえてこない。

 (ここにはいない……。じゃあどこ?)

 莉乃は立ち止まり、額に滲んだ汗を拭った。
 ふと、莉乃たちの去り際に『おむかえ?』と言ったときの望の不安そうな顔を思い出した。

 (……もしかしたら私たちを探しに家を出たのかも)

 ひとりで置き去りにされ、不安に駆られて祖父母宅を飛び出したのではないか。

 (早く見つけてあげないと……!)

 強い焦燥感に襲われ、莉乃は公園を出て再び駆けだした。
 どこをどう走っているのか自分でもわからない。望の名前を叫びながら闇雲に住宅街を走り抜ける。

 (どうかお願い。無事でいて!)
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