本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
オフィス内を歩けば、黄色い歓声と熱い視線が飛び交い、外へ出れば取引先に『副社長って恋人いらっしゃいますか? いなければ紹介してほしいです』と莉乃がお願いされるのはしょっちゅうだ。
「姉貴こそ、いいのか? そろそろヤバいんじゃないの? 父さんとの約束」
ドキッとした。航希の言葉で一気に現実に引き戻される。急激に体が冷えた感じがしたのは、鬼の形相をする父を思い浮かべたせいだ。
頭を振ってその顔を追い出したものの、航希の言うように『ヤバい』のは変わらない。
「……そうよね、どうしよう」
思わず卓上カレンダーを手に取り、四月のページを三月、二月と遡ってみたが、当然ながら時間が巻き戻るはずもない。
「とうとうカウントダウンがはじまったな」
「あぁ~っ、どうしよう……!」
莉乃は天を仰ぎ見て、プレジデントチェアの背もたれに体を預けた。
じつは三十歳までに結婚する約束を父と交わしている。もしもそれができなければ、会社を畳めとまで言われているのだ。
「姉貴こそ、いいのか? そろそろヤバいんじゃないの? 父さんとの約束」
ドキッとした。航希の言葉で一気に現実に引き戻される。急激に体が冷えた感じがしたのは、鬼の形相をする父を思い浮かべたせいだ。
頭を振ってその顔を追い出したものの、航希の言うように『ヤバい』のは変わらない。
「……そうよね、どうしよう」
思わず卓上カレンダーを手に取り、四月のページを三月、二月と遡ってみたが、当然ながら時間が巻き戻るはずもない。
「とうとうカウントダウンがはじまったな」
「あぁ~っ、どうしよう……!」
莉乃は天を仰ぎ見て、プレジデントチェアの背もたれに体を預けた。
じつは三十歳までに結婚する約束を父と交わしている。もしもそれができなければ、会社を畳めとまで言われているのだ。