先生、迎えに来ました
花火大会の会場の近くまでは、高瀬の会社の社長秘書兼ドライバーだという人が送ってくれた。
帰りも迎えに来てくれるらしい。
土曜日なのに申し訳ないとひまりは思ったが、「彼には貸しがたくさんあるので大丈夫です」と高瀬が笑っていたので、その後は気にしないことにした。
少し歩いて到着した会場は、予想通り混んでいた。
どこからこんなに人が集まってくるのだろうというくらい、右も左も、前も後ろも人だらけだ。
高瀬とはぐれることに不安を覚えたひまりは、無意識に高瀬の浴衣を掴んでいた。
それに気づいた高瀬が、少し改まってひまりに提案した。
「手を繋ぎませんか」
差し出された左手に、ひまりは躊躇いなく自分の右手を重ねた。
大きな手のひらから、高瀬の体温が伝わってくる。
自分の体温と合わさって、目玉焼きでも焼けるのではないかというくらい熱く感じた。
高瀬が自分の指をひまりの指に絡め、ぎゅっと握った。
そして、ひまりを見て嬉しそうに笑った。
そのときの笑顔が――。
そのときの笑顔が、高校生のときの高瀬の笑顔と重なり、ひまりは胸が熱くなった。
再会したときから今日まで、同姓同名の見知らぬ男性のように感じていた高瀬が、今やっと十二年前の高瀬と繋がった。
目の前で、自分を愛おしそうに見つめる男性は、十二年前に、自分を慕ってくれていた高校生と同じ人だ。
そのことを理解したとき、触れ合った手のひらから、高瀬の十二年分の想いがなだれ込んでくるように感じた。
目頭が熱くなったひまりは、下を向いて、高瀬の手を握り返した。
帰りも迎えに来てくれるらしい。
土曜日なのに申し訳ないとひまりは思ったが、「彼には貸しがたくさんあるので大丈夫です」と高瀬が笑っていたので、その後は気にしないことにした。
少し歩いて到着した会場は、予想通り混んでいた。
どこからこんなに人が集まってくるのだろうというくらい、右も左も、前も後ろも人だらけだ。
高瀬とはぐれることに不安を覚えたひまりは、無意識に高瀬の浴衣を掴んでいた。
それに気づいた高瀬が、少し改まってひまりに提案した。
「手を繋ぎませんか」
差し出された左手に、ひまりは躊躇いなく自分の右手を重ねた。
大きな手のひらから、高瀬の体温が伝わってくる。
自分の体温と合わさって、目玉焼きでも焼けるのではないかというくらい熱く感じた。
高瀬が自分の指をひまりの指に絡め、ぎゅっと握った。
そして、ひまりを見て嬉しそうに笑った。
そのときの笑顔が――。
そのときの笑顔が、高校生のときの高瀬の笑顔と重なり、ひまりは胸が熱くなった。
再会したときから今日まで、同姓同名の見知らぬ男性のように感じていた高瀬が、今やっと十二年前の高瀬と繋がった。
目の前で、自分を愛おしそうに見つめる男性は、十二年前に、自分を慕ってくれていた高校生と同じ人だ。
そのことを理解したとき、触れ合った手のひらから、高瀬の十二年分の想いがなだれ込んでくるように感じた。
目頭が熱くなったひまりは、下を向いて、高瀬の手を握り返した。