凪がくれた勇気
<デフバスケ試合当日>

ピー!

『選手交代です!』

アナウンス
『さぁ!ここで秘密兵器の投入です!』
『最年少18歳!劣勢の流れを変えられるか?!』
『スーパールーキー・和泉 清凪(いずみ せな)ーーー!』

歩侑(ふう)
「あ!ついに出たよ!清凪(せな)くん!!」

この日、私は自室で
デフバスケの試合の生配信動画を観ていた。

歩侑(ふう)
「わーーー!清凪(せな)くんまたシュート決めたー!!」
「すごいすごい!もう少しで追いつけるよ!!」

家でもほとんどしゃべらない私がはしゃぐ声に、
私の部屋の前を通りかかったお母さんが驚いた。

お母さんには夏休み中の出来事を話したが、
その時からお母さんは嬉しそうだった。


歩侑(ふう)、気づいてる?』
『あなた、表情がずいぶん明るくなったのよ。』

私は部屋の外にお母さんがいたことに気づかないまま、
汗だくで”応援”の手話を繰り返した。

歩侑(ふう)
清凪(せな)くーーーん!がんばれーーーー!!」

ブン!ブン!


『うぅ……。』

ポロ、ポロ、


清凪(せな)くん…ありがとう…。』
歩侑(ふう)に”変わる勇気”をくれて……!』
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