イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
「鳴海くん、女の子慣れしてるね〜。さすがイケメンだわ〜」
軽口を叩いてみた。
……のに。

蒼は、笑うどころか真顔になる。
そのまま、まっすぐに私を見る。

「慣れてないですよ。俺がこうなのは、真緒さんにだけです」

私は、思わず視線を逸らす。
冗談で流せない、この熱のこもった目。
真剣じゃん……

「やめてよ〜。本気にするよ〜」
笑って見せた。
…のに。

蒼はまた真顔で返してきた。
「俺も本気なんで」

そして、にっこり笑う。

「というか、しましたよね?俺、キス」
さらりと、でも真剣に蒼は言った。

「それで分かりませんでしたか?」

……ぐはっ。
もう会って数分しか経ってないのに、私は帰りたくなった。
なんでこの子、恥ずかしいことを当たり前みたいに言うの!?
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