イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
「じゃあ、ご飯行きましょ!」
蒼はそう言うと、自然な流れで私の手を繋いできた。

ひええええ!!!
……ちょ、ちょっと待って!?

私の脳内は一瞬でパニック状態に。
手。繋がれてる。繋がれてる。え、今これ、何?どんな状況?
なされるままの私の手は、彼の手にすっぽり収まっていた。
指が長くてきれいで、どきどきが止まらない。

「真緒さん、手……嫌でした?」
不意にこちらをみた蒼の顔。
その目が、まっすぐで。
逃げ場がない。

「い、いや、別に……」

ほんとは心臓が爆発寸前!!!

「よかった。デートだから、手つなぎたくて」

あっけらかんと言われて、私はますますぐるぐるしてしまう。

デート……?
デートって言い切った、この子……!

手を繋ぐって、こんなに破壊力あるんだっけ。
胸がぎゅうっとする。

なのに蒼は、いつもの笑顔で人混みをすいすい歩いていく。
まるで「これが当たり前」みたいに。

――どうしよう。
繋がれた手を離す勇気もない。
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