イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
「鳴海くん、彼女いたことある?」
つい、聞いてしまった。

すると、蒼は即答。
「ないです!むしろ好きになった女の人、真緒さんが初めてです」

……?!!!
こんなイケメンが……?
まじ?なんで????

「なんで?だってモテるでしょ?声かけられるでしょ?」
思わず畳みかけてしまう私。

「小中高と男子校で、大学は工学部なんで、女子と接点ないですよ」
……? うそだー。

「しかも俺、この会社に入る前、メガネで髪長くて、いつも同じ服しか着てなかったので」
……??? はい???

思わず、心の中で二度見した。
いま目の前にいる超絶イケメンが、過去にそんな残念男子だったなんて……にわかに信じがたいんですけど!?

「昔の写真、見ます?」
蒼がスマホを差し出してきた。

そこに映っていたのは、数人の男子たちが並んで観光地で撮った集合写真。
みんな黒髪メガネ、似たような服装。

「……どれ???」
「一番右です」

指差されて、改めて確認する。
………

私は必死に記憶をたぐりよせる。
あれ? もしかして………

「……インターンの時の、青年?!?」

思わず声が裏返った。

「あ、やっと思い出してくれましたか?」
蒼は、今の整った顔でにっこり笑う。

え、待って待って待って。
あの、髪ぼさぼさで、メガネの奥の目がどこ見てるかわからなくて、いつも無表情でパソコン叩いてた青年?
え、まじで???
まさか、まさか、まさか……あの地味すぎる子が、こんなイケメンに進化するなんて聞いてない!!
ていうか、同一人物って証明できる?脳がバグってるんですけど???

「……信じられない……」
小さく呟いた私に、蒼は楽しそうに笑った。
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