イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
大学生インターンの期間は、だいたい二週間くらい。
普通なら年の近い若手社員が対応するのだけど、ある日だけ、急遽私が担当することになった。
それが——蒼だったらしい。
当時の彼は、ずーーーっと無愛想で、寡黙な青年。
でも、仕事はものすごく正確で、飲み込みも早い。
そのギャップに、私はちょっと感心していた。
「でもね、社会人になったらそんな愛想悪いとダメだぞー?」
つい、からかうように声をかけた。
すると彼は、みるみるうちに顔を真っ赤にして……
無言のまま、パソコンに視線を落とした。
そのとき私は、その反応が妙に可愛らしくて。
“素直な子だなぁ”なんて思って、ついつい何度もからかってしまったのを覚えている。
「俺、あのときから真緒さんのことが忘れられなかったんですよ」
蒼がまっすぐに言った。
「だから、髪の毛も切って、服も何着か買って……とにかく、この会社に受からなくちゃ!って思ったんです」
照れくさそうに笑うけれど、その瞳は本気だ。
「それから、どこの会社に行っても“印象がいい”って言われるようになりました。
……今までみたいに無愛想にしてるより、話も聞いてくれる人がいるって分かって。
だから、真緒さんには感謝してるんです」
さらりと「感謝」なんて言葉を出すけど——
大したことはしてないぞ。
どうしてこんなに真っ直ぐに、恩人みたいな顔して見てくるの……!
「いや、私なんて……」
思わず口に出す。
だって、あの時だって。年下の男の子をからかっただけだし……
でも、蒼は視線を逸らさない。
「俺にとっては、真緒さんが特別なんです」
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。
こんなにもまっすぐに、私だけを見てくれているなんて……。
しかも、年下なのに、落ち着いてしまう。
「……特別……」
小さく呟くと、蒼はにっこり笑った。
「はい。だから、これからも真緒さんのそばにいたいんです」
言葉に温度がある。
抱きしめられたわけでもないのに、胸が熱くなる。
思わず、小さく呟く。
「鳴海くんを……もっと知りたい」
すると、蒼は柔らかく笑った。
綺麗な顔で、私をじっと見つめて。
「もっと色んな話をしましょう。
たくさん、いろんなこと、一緒にしましょう」
なんだか、すべてが自然に受け止められるような気がして——
小さなプライドが、少しずつほどけていくのを感じた。
普通なら年の近い若手社員が対応するのだけど、ある日だけ、急遽私が担当することになった。
それが——蒼だったらしい。
当時の彼は、ずーーーっと無愛想で、寡黙な青年。
でも、仕事はものすごく正確で、飲み込みも早い。
そのギャップに、私はちょっと感心していた。
「でもね、社会人になったらそんな愛想悪いとダメだぞー?」
つい、からかうように声をかけた。
すると彼は、みるみるうちに顔を真っ赤にして……
無言のまま、パソコンに視線を落とした。
そのとき私は、その反応が妙に可愛らしくて。
“素直な子だなぁ”なんて思って、ついつい何度もからかってしまったのを覚えている。
「俺、あのときから真緒さんのことが忘れられなかったんですよ」
蒼がまっすぐに言った。
「だから、髪の毛も切って、服も何着か買って……とにかく、この会社に受からなくちゃ!って思ったんです」
照れくさそうに笑うけれど、その瞳は本気だ。
「それから、どこの会社に行っても“印象がいい”って言われるようになりました。
……今までみたいに無愛想にしてるより、話も聞いてくれる人がいるって分かって。
だから、真緒さんには感謝してるんです」
さらりと「感謝」なんて言葉を出すけど——
大したことはしてないぞ。
どうしてこんなに真っ直ぐに、恩人みたいな顔して見てくるの……!
「いや、私なんて……」
思わず口に出す。
だって、あの時だって。年下の男の子をからかっただけだし……
でも、蒼は視線を逸らさない。
「俺にとっては、真緒さんが特別なんです」
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。
こんなにもまっすぐに、私だけを見てくれているなんて……。
しかも、年下なのに、落ち着いてしまう。
「……特別……」
小さく呟くと、蒼はにっこり笑った。
「はい。だから、これからも真緒さんのそばにいたいんです」
言葉に温度がある。
抱きしめられたわけでもないのに、胸が熱くなる。
思わず、小さく呟く。
「鳴海くんを……もっと知りたい」
すると、蒼は柔らかく笑った。
綺麗な顔で、私をじっと見つめて。
「もっと色んな話をしましょう。
たくさん、いろんなこと、一緒にしましょう」
なんだか、すべてが自然に受け止められるような気がして——
小さなプライドが、少しずつほどけていくのを感じた。