イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
オートロックのインターホンを押す。けれど、反応はない。
「……帰ってないの?」
もう一度、もう一度と何回か押してみる。
「……は、はい……」
やっと、か細い声が返ってきた。
「来栖です」
『ま、真緒さん?!』
驚きの声に、思わず私も声をひそめてしまう。
「スマホ、忘れてるよ」
『……す、すみません。部屋まで来てもらっていいですか』
その瞬間、オートロックの自動ドアがカチリと音を立てて開いた。
エレベーターに乗り込み、静まり返った廊下を歩く。
指定された部屋番号の前に立った瞬間、私は深く息を吐いた。
「……結構お高いマンションだぞ……」
周囲を見渡して思わずつぶやく。
壁も床もピカピカで、まるでホテルのよう。
私の暮らすマンションとは、まったく別世界。
バッグの中のスマホが、ずっしり重く感じられた。
届けるだけ――それだけ。
「……いざとなったら、置いて帰ればいい」
そう思いつつも、結局私は覚悟を決めて、インターホンを押した。
静まり返った廊下に、澄んだ電子音が響く。
ピクリとも反応がない。
ここまで返事がないと逆に不安になる。
私は意を決して、ドアノブに手をかけた。
――カチャ。
……開いた。
ほんの少し、ドアを押し開けて中をのぞく。
視線の先。
「……え?」
ちょうどインターホンの下、床にへたりこんでいる蒼の姿が見えた。
背もたれ代わりに壁に寄りかかり、ぐったりと目を細めている。
その頬は赤く、額には汗がにじんでいて――
「鳴海くん!」
私は反射的に中へ駆け込んでいた。
「……帰ってないの?」
もう一度、もう一度と何回か押してみる。
「……は、はい……」
やっと、か細い声が返ってきた。
「来栖です」
『ま、真緒さん?!』
驚きの声に、思わず私も声をひそめてしまう。
「スマホ、忘れてるよ」
『……す、すみません。部屋まで来てもらっていいですか』
その瞬間、オートロックの自動ドアがカチリと音を立てて開いた。
エレベーターに乗り込み、静まり返った廊下を歩く。
指定された部屋番号の前に立った瞬間、私は深く息を吐いた。
「……結構お高いマンションだぞ……」
周囲を見渡して思わずつぶやく。
壁も床もピカピカで、まるでホテルのよう。
私の暮らすマンションとは、まったく別世界。
バッグの中のスマホが、ずっしり重く感じられた。
届けるだけ――それだけ。
「……いざとなったら、置いて帰ればいい」
そう思いつつも、結局私は覚悟を決めて、インターホンを押した。
静まり返った廊下に、澄んだ電子音が響く。
ピクリとも反応がない。
ここまで返事がないと逆に不安になる。
私は意を決して、ドアノブに手をかけた。
――カチャ。
……開いた。
ほんの少し、ドアを押し開けて中をのぞく。
視線の先。
「……え?」
ちょうどインターホンの下、床にへたりこんでいる蒼の姿が見えた。
背もたれ代わりに壁に寄りかかり、ぐったりと目を細めている。
その頬は赤く、額には汗がにじんでいて――
「鳴海くん!」
私は反射的に中へ駆け込んでいた。