イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
【side蒼&】
それは、突然の通告だった。
「これはハラスメントじゃないからな」
低く前置きしてから、係長は腕を組み、会議室のドアを閉めた。
「お前と来栖は付き合ってるのか?」
突然の直球に、蒼は目を瞬かせる。
隠すのも嘘をつくのも、どうにも性に合わない。
「……俺は、付き合ってると思ってるんですけど。真緒さんがどう思ってるかは、わかりません」
素直に吐き出した答えに、係長の眉がぴくりと動く。
「それは付き合ってるとは言わんだろ」
「……」蒼は唇を噛んだ。
係長は深いため息をついて、机に書類を置いた。
「でな。お前、来月から営業部に異動になる」
「……え?!!??!」蒼の声が裏返った。
「まだ、3ヶ月しかいないですけど……!?」
「うちの会社な」係長は重々しく言葉を継ぐ。
「同じ部署で付き合っていると、どちらかが異動になるってジンクスがあるんだよ」
「……ジンクス、ですか……?」
「正式なルールじゃない。けどな、上はそういうのを見過ごさない。職場で余計な噂を立てられるのを嫌がるんだ」
頭の中が真っ白になる。
「昭和ですか……?!」
思わず本音が口から漏れた。
係長は一瞬だけ口元を歪めたが、すぐ真面目な顔に戻る。
「お前の気持ちは、なんとなく分かる。だがな、仕事は仕事だ」
「……はい」
返事はしたものの、蒼の胸はざわめいていた。
営業部に異動すれば、真緒と過ごす時間は確実に減る。
せっかく近づけた距離が、また遠くなる。
「これはハラスメントじゃないからな」
低く前置きしてから、係長は腕を組み、会議室のドアを閉めた。
「お前と来栖は付き合ってるのか?」
突然の直球に、蒼は目を瞬かせる。
隠すのも嘘をつくのも、どうにも性に合わない。
「……俺は、付き合ってると思ってるんですけど。真緒さんがどう思ってるかは、わかりません」
素直に吐き出した答えに、係長の眉がぴくりと動く。
「それは付き合ってるとは言わんだろ」
「……」蒼は唇を噛んだ。
係長は深いため息をついて、机に書類を置いた。
「でな。お前、来月から営業部に異動になる」
「……え?!!??!」蒼の声が裏返った。
「まだ、3ヶ月しかいないですけど……!?」
「うちの会社な」係長は重々しく言葉を継ぐ。
「同じ部署で付き合っていると、どちらかが異動になるってジンクスがあるんだよ」
「……ジンクス、ですか……?」
「正式なルールじゃない。けどな、上はそういうのを見過ごさない。職場で余計な噂を立てられるのを嫌がるんだ」
頭の中が真っ白になる。
「昭和ですか……?!」
思わず本音が口から漏れた。
係長は一瞬だけ口元を歪めたが、すぐ真面目な顔に戻る。
「お前の気持ちは、なんとなく分かる。だがな、仕事は仕事だ」
「……はい」
返事はしたものの、蒼の胸はざわめいていた。
営業部に異動すれば、真緒と過ごす時間は確実に減る。
せっかく近づけた距離が、また遠くなる。