イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか？

14

「真緒。」
蒼は、夕食の後、真剣な眼差しでこちらを見つめてきた。

「里中の事情、なんとなくわかった。」
低い声で切り出すと、私は思わず身を乗り出した。

「どういうこと？」
「……恋愛がうまくいってないみたいだ。だから、余計に俺に絡んでるんだと思う。」
「……そうだったんだ。」

私は小さく頷いた。どこか納得する気持ちと同時に、余計にやりきれなさが募る。
彼女の寂しさや苛立ちを、どうして私たちが受け止めなければならないのだろう。

「だから、俺が直接言うよ。」
蒼の声は、驚くほど静かで、でも決して揺らがなかった。

「……なにを？」
「俺たちを巻き込まないでくれって。俺には真緒がいるし、これからもずっと一緒にいるって。」

胸が一瞬、熱くなる。

「私も一緒に行く。」
そう言わずにはいられなかった。
けれど蒼は、すぐに首を横に振った。

「ダメだ。」
「どうして？」
「真緒を守りたいから。俺が言うべきことだし、嫌な思いはさせたくない。」

強い口調でそう言われて、私は返す言葉を失った。

「……ずるいよ。そう言われたら、何も言えなくなるじゃん」
私が苦笑すると、蒼は照れたように視線を逸らた。

「俺が終わらせるから。だから信じて待ってて。」
「……分かった。」

小さく頷いたものの、胸はざわざわと波打っていた。