Edge Of A Broken Heart 〜最悪続きのあとに〜
「えぇ?まさかのご近所じゃないですか!じゃあ、10分後にお邪魔しますね」
「10分!?」
 そんなに早く来るとは、こちらとしては困惑する。
「だって、すぐ近くですし。僕もビックリしましたよ」
「あっそ⋯⋯」
「じゃあ、今すぐ行きますね!」
 やたら元気な声で言われ、電話は切れた。
 10分後って⋯⋯。
 特に用事のない休日は、しどけない恰好で一日中引きこもって過ごすので、慌てて鏡を覗き込む。
 パジャマ代わりのジャージ姿に、ボサボサの髪。もちろん、ノーメイク。
「全く⋯⋯招かれざる客だわね!」
 ブツブツ文句を言いながら、髪をとかし、ルームワンピースに着替える。
 メイクをする時間などないので、大きめのマスクで誤魔化すしかない。
 しかし⋯⋯どうして、相手が真田なのに、こんなに大慌てで気を遣わないといけないのか。
 自分でも、ちょっとどうかしていると思う。
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