Edge Of A Broken Heart 〜最悪続きのあとに〜
 いやいや⋯⋯相手がいけすかない後輩の真田だからこそ、これ以上恰好悪い姿を晒すのは、なんだか癪なのかもしれない。
 ドアのチャイムが鳴る。本当に10分で来やがった⋯⋯。
「はい」
 勢いよくドアを開けると、ゴツンと鈍い音がした。
「痛っ!」
「え?あ、ごめん」
 ドアが真田の頭を直撃したようだ。
「ちょっと先輩⋯⋯!相手が誰か確認もせずにドアを開けるなんて、不用心ですよ!」
「アンタが10分後に来るって言ったんでしょうが」
「そうですけど、女性の一人暮らしなら⋯⋯」
「おいおい!そんなことを部屋の前で言うほうが、よっぽど不用心でしょ!」
「あ、それもそうですね。いやぁ⋯⋯それにしても、先輩も近くに住んでたなんて知りませんでした。再会できて嬉しかったですよ!」
「アンタ⋯⋯それ皮肉なの?」
「どうしてですか?僕は、ここで昔の知人と再会したのって初めてだから、本当に嬉しいんですよ」
< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop