Edge Of A Broken Heart 〜最悪続きのあとに〜
 この狭い部屋に、何人もの警官たちがわらわらと居るではないか。
「警察って、なんで!?」
「怒声と叫び声がうるさいと、近隣の住人から通報があったんでね。近所迷惑だから、話は署のほうで訊きますよ」
「まさか、パトカーに乗れとでも?」
「当たり前でしょう。彼のほうも、早く服を着なさいよ」
 なんという醜態⋯⋯そう思って項垂れていたら、
「あれ?まさか、菜摘先輩じゃありません?」
 警官の一人に尋ねられた。
「やっぱり、水野菜摘さんでしょう?松本中学で同じブラスバンド部だった⋯⋯」
 その若い警官は、どこかで見たことのある顔だ。中学時代の部活?
「覚えてませんか?ひとつ後輩だった真田ですよ!」
「真田って⋯⋯え、あの真田!?」
 私が中学生の頃、ブラスバンド部の同じ打楽器の後輩に、真田という男子が居たことを思い出した。
 正直なところ、当時の私にとっては、いけすかない後輩だったのだが。
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