Edge Of A Broken Heart 〜最悪続きのあとに〜
長い付き合いの彼氏に、同じく長い付き合いの友人と浮気された挙句、パトカーで連行されるだけでも、かなりの最悪事態なのに。
知り合いということで、担当こそ外れたものの、かつて嫌いだった後輩の職場である警察署にて、痴情の縺れという最も恥ずかしいことについて、あれこれ事情聴取されるという屈辱。
帰る頃には、外は土砂降りで、まさに踏んだり蹴ったり。
「今日は、降らないはずだったじゃない⋯⋯」
独り言ちて、大きなため息をついた瞬間、後ろから肩を叩かれた。振り向くと、記憶の中より背が高く、大人びた真田が、黒い傘を差し出していた。
「先輩、元気出してくださいね」
そう言われ、反射的に睨みつけたが、意外にも真田は本当に気の毒そうな表情をしている。
からかわれるのも嫌だが、そんな風に同情されるのも癪なので、
「傘、借りるわ。ありがと」
そっけなく言い、さっさと署をあとにした。
知り合いということで、担当こそ外れたものの、かつて嫌いだった後輩の職場である警察署にて、痴情の縺れという最も恥ずかしいことについて、あれこれ事情聴取されるという屈辱。
帰る頃には、外は土砂降りで、まさに踏んだり蹴ったり。
「今日は、降らないはずだったじゃない⋯⋯」
独り言ちて、大きなため息をついた瞬間、後ろから肩を叩かれた。振り向くと、記憶の中より背が高く、大人びた真田が、黒い傘を差し出していた。
「先輩、元気出してくださいね」
そう言われ、反射的に睨みつけたが、意外にも真田は本当に気の毒そうな表情をしている。
からかわれるのも嫌だが、そんな風に同情されるのも癪なので、
「傘、借りるわ。ありがと」
そっけなく言い、さっさと署をあとにした。