偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました

第2章 揺れるフリと本物の嫉妬

翌週の水曜日。オフィスの午後は静まり返っていて、キーボードの音だけが軽快に響いていた。

そのときだった。

霧島社長が、ふと私のデスクの前に立った。

「週末にパーティーがある。君に同行して欲しい。」

「はい。」

自然と返事をしていたけれど、胸の鼓動が早鐘のように高鳴っていた。

──来た。これが、憧れの“同行パーティー”。

社長秘書として働いてきて、何度その場に憧れたことか。

限られた人しか呼ばれない、企業同士の社交の場。

夢だった舞台に、ついに立てる。

当日、私は少し背中の開いた、淡いグリーンのロングドレスに袖を通した。

鏡の前で何度も深呼吸する。秘書として、完璧な振る舞いができるように。

それだけを心に誓っていたはずなのに──

「今日は大丈夫か?」
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