偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
そんなある日のことだった。

昼休みも終わりかけた頃、私は社長室に呼び出された。

「月城。ちょっといいか?」

突然の声に、少しだけ心臓が跳ねる。

「はい」と返事をすると、霧島社長はじっと私の顔を見つめてきた。

「……君は、恋人はいるか?」

「えっ⁉」

あまりにも意外な質問に、私は目を丸くする。

これは、もしかして何かのテスト……?

正直に答えていいのだろうか。

「どうして、そのようなことを聞かれるんでしょうか。」

――あ、思ったことをそのまま口に出してしまった。しまった。

「返答次第で、依頼の内容が変わる。」

社長はいつもの冷静な声でそう言った。

私はふうっと小さく息を吐き、正直に答える。

「……いません。寂しいですが。」

すると社長は、ふっと微笑んだ。

「それでいい。」

「はあ……?」
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