偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
喉がカラカラに乾く。表情を取り繕おうとするが、視線を合わせることすらできなかった。

「でも、こんな綺麗な人と恋人のフリできるなんて、裕哉はずるいよね。」

ふいに、私の腕を掴まれた。

「……離してください」

震える声で言ったのに、高志さんは応じない。

「かわいいね。震えてるの?」

その声音には、どこか愉快そうな響きさえ混じっていた。

何を考えているのか分からない。

その笑顔も、その手の力も、全てが怖かった。

夜風が吹き抜ける中、私は小さな恐怖に包まれていた。

「本当に付き合っていないなら、俺ともキスできるよね。」

唐突に囁かれたその言葉に、背筋が凍った。

冗談めかした口調とは裏腹に、高志さんの目は笑っていなかった。

「……できません!」

即座に拒絶したにもかかわらず、彼は私の腰に手を回し、ぐっと引き寄せた。
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