本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました

「水野」

コーヒーを半分ほど飲み終えたとき、圭人の口調が変わった。

「一輝さんと付き合うのか?」

茉琴の鼓動が早くなる。

「松岡さんにはからかわれているだけだと思うよ。
本気なら松岡さんだって職場であんなことしないでしょ?
話は聞いてもらったけど、たぶんそれだけ」

圭人が表情も変えないところを見ると、山下あたりから何があったのかは聞いているのだろう。
しかし圭人は口調を変えることなく続ける。

「じゃあ中田に惹かれてる?」

圭人は茉琴へ真剣なまなざしを向けている。
まるで尋問をうけているような気分になり、
わざわざ個室の店を選び、食後にわざわざ蒸し返すのは、今日の目的はこのためだったのだと茉琴は確信する。
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