らくがきの中の君を、彷徨って見付けてさよならと言って
グッと刺さる、胸をえぐって来るみたいに突き上げられた。

流れる涙がつーっと頬を静かに落ちていく。



本気…、だったよ?



本当にそう思ってたよ、あの時私はそう思ってた。

だけど今は覚えがないくらい。


私はどんな気持ちでそんなこと言ってたの?

もうわからないんだよ。



「じゃあ…千颯は留学行かないの?」

「行かない」

「たくさん勉強できるんだよ、もっといろんなことできるし学べるし、ここにいたら知らないことだって…」

「行かない」

千颯の目は真っ直ぐだった。
瞬きもしない迷いのない瞳は力強く私を見ている。

やめてよ、そんな目で見ないでよ私の方がどうにかなってしまいそうだよ。

「どうして?」

「だからっ」

「千颯、絵描くの好きなんでしょ?」

きっと千颯もそうなんだと思ってた。おんなじなんだと思ってた。


いつも一緒にいたから。


「俺は絵なんかどうでもいい」


そんな千颯だったから…


「咲茉といれたらそれでいい」


だから、私は思いを馳せてた。

「どうして…」

前に立って私だけを見てる、逸らすことなく貫くような瞳に息を飲んだ。

その眼差しが、痛くて。

止まらない涙が次から次へとこぼれていく、両手で顔を隠してそんな手も震えてた。


「俺は咲茉が好きだ、咲茉といられたらそれだけでいいんだよ!」

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