溺愛している娘は俺の宝物だった
4
俺は、白井ゆみを連れて歩いていた。
まずはブランド店へ行って、あれこれ選んだ物をゆみに一着ずつ着せる。
下校中の学校指定の制服では、高級レストランでは目立ちすぎて連れて行けない。
じっくり見比べて、俺は最終的に上品な茜色のワンピースをセレクトする。
そのあと、俺は予約を入れていた馴染みの高級レストランへ連れてゆく。
ゆみは、高校生にしては良家のかなえと同じように上質なマナーがなじんでいる。
物腰優雅で気品のある可憐な姿。
俺は、満足気に眺めていた。
最初は、パーティで見かけた良家の娘であるかなえのことが気に入って、今回誘ってみた。
まだ高校生で、すぐに結婚まで進むことがないので、俺の気持ちとしてはお気楽なものだった。
遠縁のゆみと似ているかなえに、どこか俺自身心に触れるものがあったのかもしれない。
俺は、目の前のおっとりで清楚、従順なゆみに夢中だった。
まだ思い出せない胸の疼きを、俺は如実に感じている。
「おいしかった?」
「ええ」
俺とゆみは、車内で帰途を和やかに過ごしている。
「なら、良かった。確か桐浜かなえちゃんの家の近所って言っていたから、彼女の家の近くへ送ればいいのかな?」
「はい。ありがとうございます」
凛とした可愛らしい声。
ほんのりとピンクの紅を塗った、サクランボのような唇。
愛らしい彼女の瞳が、まだ少し恥ずかしそうに潤んでいる。
俺は、一緒に楽しい時を過ごして、どんどん白井ゆみに惹かれてゆくのを実感している。
この子、知っている。
まだ自分の中では、何も思い出せてはいないけれども。
俺の中で、それは確信に変わっていた。
「じゃあスマホの番号を教えて貰ってもいい?」
「それは……」
拒否しかけたゆみの唇を、むっとした俺は、彼女の腕を引き寄せる。
精悍な頬を傾けて、ゆみに押し被さるようにキスした。
「!」
震えだしたか細い体に唇。
俺は、どうしてもゆみの愛らしい唇が欲しくなり、自分の衝動に突き動かされてしまった。
「……いいね?」
唇が離れて長い睫毛を押し上げて目を開けたゆみは、一瞬息を呑み、そして小さく頷いたーー。
俺は、白井ゆみを連れて歩いていた。
まずはブランド店へ行って、あれこれ選んだ物をゆみに一着ずつ着せる。
下校中の学校指定の制服では、高級レストランでは目立ちすぎて連れて行けない。
じっくり見比べて、俺は最終的に上品な茜色のワンピースをセレクトする。
そのあと、俺は予約を入れていた馴染みの高級レストランへ連れてゆく。
ゆみは、高校生にしては良家のかなえと同じように上質なマナーがなじんでいる。
物腰優雅で気品のある可憐な姿。
俺は、満足気に眺めていた。
最初は、パーティで見かけた良家の娘であるかなえのことが気に入って、今回誘ってみた。
まだ高校生で、すぐに結婚まで進むことがないので、俺の気持ちとしてはお気楽なものだった。
遠縁のゆみと似ているかなえに、どこか俺自身心に触れるものがあったのかもしれない。
俺は、目の前のおっとりで清楚、従順なゆみに夢中だった。
まだ思い出せない胸の疼きを、俺は如実に感じている。
「おいしかった?」
「ええ」
俺とゆみは、車内で帰途を和やかに過ごしている。
「なら、良かった。確か桐浜かなえちゃんの家の近所って言っていたから、彼女の家の近くへ送ればいいのかな?」
「はい。ありがとうございます」
凛とした可愛らしい声。
ほんのりとピンクの紅を塗った、サクランボのような唇。
愛らしい彼女の瞳が、まだ少し恥ずかしそうに潤んでいる。
俺は、一緒に楽しい時を過ごして、どんどん白井ゆみに惹かれてゆくのを実感している。
この子、知っている。
まだ自分の中では、何も思い出せてはいないけれども。
俺の中で、それは確信に変わっていた。
「じゃあスマホの番号を教えて貰ってもいい?」
「それは……」
拒否しかけたゆみの唇を、むっとした俺は、彼女の腕を引き寄せる。
精悍な頬を傾けて、ゆみに押し被さるようにキスした。
「!」
震えだしたか細い体に唇。
俺は、どうしてもゆみの愛らしい唇が欲しくなり、自分の衝動に突き動かされてしまった。
「……いいね?」
唇が離れて長い睫毛を押し上げて目を開けたゆみは、一瞬息を呑み、そして小さく頷いたーー。