溺愛している娘は俺の宝物だった
2
『おっはよっ。お二人さん!』
陽気な声が、二重に響く。
顔立ち整った、美貌の少年の二人だった。
二人は、鏡を映したようにそっくりの双子。
ただ髪だけが、一人はくせっ毛で、もう一人は直毛だった。
黒を基調としたブレザー制服姿の二人が、私とかなえの後ろから割り込んできた。
二人は、かなえと私と同じく小学校から大学までエスカレーター式の学校へ通っている。
二人は、中学生で学校指定の黒を基調としたブレザーの制服を着ていた。
私とかなえは、高校生なので茶色を基調とした制服を着ている。
双子は、近所に住んでいて中学生二年生だけど、同学年より少し大人びている。
「あら、おはよう」
「お、おはよう」
「ゆみの顔色って、何だか悪くない?」
かなえの隣にいるくせっ毛の林秀太は、いつもと違う私の様子に気がついたのか、顔を覗き込んでくる。
「そうだよ。どうした?」
隣に来たもう一人の直毛の秀矢は、私の肩を掴み、額に手を当てようとした。
「大丈夫って」
すぐさま私は、それを払う。
「心配しているのに、ひどいなあ」
秀矢は、むっとして目をつり上げ、口を尖らせる。
「少し風邪っぽいのよ」
かなえは、私の手を取り引っ張って、二人から引き離す。
「そうなの?」
秀太は、心配そうに顔を歪める。
「そう。だから風邪を移しちゃまずいから、ゆみに近づいたらだめよ」
「休めばよかったじゃないか。無理するなよ」
「そうだよ。ゆみ」
「大丈夫よね? 少しくらいは」
「うん。ほら、遅刻しちゃうから、早く学校へ行こう!」
私は、かなえの手を握り直し、その場から駆け出した。
『おっはよっ。お二人さん!』
陽気な声が、二重に響く。
顔立ち整った、美貌の少年の二人だった。
二人は、鏡を映したようにそっくりの双子。
ただ髪だけが、一人はくせっ毛で、もう一人は直毛だった。
黒を基調としたブレザー制服姿の二人が、私とかなえの後ろから割り込んできた。
二人は、かなえと私と同じく小学校から大学までエスカレーター式の学校へ通っている。
二人は、中学生で学校指定の黒を基調としたブレザーの制服を着ていた。
私とかなえは、高校生なので茶色を基調とした制服を着ている。
双子は、近所に住んでいて中学生二年生だけど、同学年より少し大人びている。
「あら、おはよう」
「お、おはよう」
「ゆみの顔色って、何だか悪くない?」
かなえの隣にいるくせっ毛の林秀太は、いつもと違う私の様子に気がついたのか、顔を覗き込んでくる。
「そうだよ。どうした?」
隣に来たもう一人の直毛の秀矢は、私の肩を掴み、額に手を当てようとした。
「大丈夫って」
すぐさま私は、それを払う。
「心配しているのに、ひどいなあ」
秀矢は、むっとして目をつり上げ、口を尖らせる。
「少し風邪っぽいのよ」
かなえは、私の手を取り引っ張って、二人から引き離す。
「そうなの?」
秀太は、心配そうに顔を歪める。
「そう。だから風邪を移しちゃまずいから、ゆみに近づいたらだめよ」
「休めばよかったじゃないか。無理するなよ」
「そうだよ。ゆみ」
「大丈夫よね? 少しくらいは」
「うん。ほら、遅刻しちゃうから、早く学校へ行こう!」
私は、かなえの手を握り直し、その場から駆け出した。