私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「カット!」

 監督が大きな声を上げた。

「爽やかな青春のきらめきを感じました! 1本目はこれでOKです!」

 やったあ! 一発撮りだ!

「かなっち! オレたちの撮影、どうだった⁉」

 蛍くんが真っ先に、私に向かって走ってくる。
「すっごくよかったよ!」って褒めようとしたそのとき。
 蛍くんが握っているペットボトルの口から、中のサイダーがこぼれ落ちていった。
 大変! 床が濡れちゃう!

『戻れ!』

 流れ落ちていくサイダーに念じたその直後。まるで動画を倍速で逆再生したかのように、サイダーがペットボトルの中に戻っていった。
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