桜が咲く時まで、生きていたい
時間もしばらく経ち、いよいよ姫奈の番が来た。

今までポップな盛り上がる系の曲だったこともあり、いきなりの恋愛ソングで場が静まり返った。

〜♪

姫奈が歌い始めると、なぜかみんなが息をのんだ。

「どこからか天使の歌声が聞こえると思ったら…」

いきなり声が聞こえてきたと思ったら部屋の入り口に宗一郎が立っていた。

驚きすぎて声が上ずりそうになるのを必死に抑えて歌い切る。

すると、ぱちぱちと拍手が起こった。

「い、いや…うますぎ?」

「天使の歌声かと思った…」

「わ、私も…」

「いやぁ、心が浄化された〜」

「ちょ、千佳ちゃんまで!?というか宗一郎くんなんでここに!?」

色々と状況に追いつけなかったが、姫奈も宗一郎と二人になりたかったので、勇気を出して散歩に誘った。

カラオケを出て二人で歩きながら話す。

「姫、歌ってる姿可愛かった」

(ちょ、そんなストレートに…!)

一気に顔が赤くなる。

するとよこでふっ、と笑う気配がした。

「笑わないでよ!もう!」

「ごめんごめん。でも部屋に乱入したのはそれだけじゃない。体調…大丈夫かと思って。」

まさか、そんなことを聞くためだったとは思わなかった。

「うん、大丈夫だよ!」

「なら、いいんだけど…。寒くなってきたし、戻ろう」

「そうだね…!」

そこからまた来た道を戻ってカラオケまで戻り、みんなと盛り上がった。

「じゃあ〜もう9時になるし、解散するか〜」

「次は体育祭だな〜!」

「次も優勝するぞ!」

「「「おーーー!!!」」」

カラオケを出てそれぞれ帰路につく。

「え、姫一人で帰んの?」

「危ないよ?」

「大丈夫だよ!うち、すぐそこだから!」

「そう…?でも…」

「大丈夫!じゃあまた学校でね!」

そう言って歩き出す。

なぜかはわからないけれど、この場をはやく離れた方がいい気がしたのだ。
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