すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
エリオスとともに応接室へ赴くと、そこにはにこにこと愛想笑いを浮かべる父がいた。
その笑顔を見た瞬間、背筋がひやりとした。
この顔を、私はよく知っている。
社交界で取り繕うときに見せる、あの偽りの仮面だ。
「お久しぶりです」
努めて静かに告げると、父はわざとらしく大袈裟な声を上げた。
「おお、レイラ。お前がいなくなって心配したんだぞ! 無事だったなら、なぜすぐに連絡をくれなかったんだ?」
私は一瞬も迷わずに返す。
「連絡すれば、他国へ売られると思ったのです」
ぴたりと空気が止まった。
父の笑顔が引きつり、強張った頬がわずかに震えているのがわかる。
私はその変化を見逃さず、平静を装ったまま続けた。
「お父様の命令通り男爵家へ嫁ぐ際、同行していた者たちが話していました。あなたが私を異国へ売り飛ばそうとしていると。多額の金銭を受け取られたのでしょう? そんな人のもとへ、誰が戻りたいと思うでしょうか」
その笑顔を見た瞬間、背筋がひやりとした。
この顔を、私はよく知っている。
社交界で取り繕うときに見せる、あの偽りの仮面だ。
「お久しぶりです」
努めて静かに告げると、父はわざとらしく大袈裟な声を上げた。
「おお、レイラ。お前がいなくなって心配したんだぞ! 無事だったなら、なぜすぐに連絡をくれなかったんだ?」
私は一瞬も迷わずに返す。
「連絡すれば、他国へ売られると思ったのです」
ぴたりと空気が止まった。
父の笑顔が引きつり、強張った頬がわずかに震えているのがわかる。
私はその変化を見逃さず、平静を装ったまま続けた。
「お父様の命令通り男爵家へ嫁ぐ際、同行していた者たちが話していました。あなたが私を異国へ売り飛ばそうとしていると。多額の金銭を受け取られたのでしょう? そんな人のもとへ、誰が戻りたいと思うでしょうか」