すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「な、何をでたらめなことを! 私がそのようなことをするものか。大事な娘だぞ!」

 慌てた声が空回りする。
 私はわずかに眉を上げ、静かに告げた。

「あなたがこれまで私にしてきたことを、私は一度も忘れていません。それに、右手が使えなくなった私は役立たずだと、そうおっしゃいましたよね?」
「そんなことは言っていない。それは、お前の勘違いだ!」

 やはり、そう来ると思っていた。
 彼はいつもそうだ。都合の悪いことは忘れ、覚えていても白を切る。
 真実よりも体裁を守ることが、彼のすべてだから。


「私が助けを求めたとき、あなたは私を捨てました。それが事実です」

 言葉を放った瞬間、応接室の空気がぴんと張りつめた気がした。

 父は狼狽し、ガタンと椅子を蹴るように立ち上がる。
 こめかみがぴくりと震え、唇が戦慄いている。怒りを押し殺すような顔だ。

 もしエリオスがいなければ、きっと父は私を殴りつけていただろう。

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