すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「レイラ、作り話はよしなさい。私はお前の将来のために嫁がせてやったんだ。絵の仕事を取ってきていたのも、お前の才能を買っていたからだぞ」
「納期が遅れると怒鳴りつけましたね? 叩かれることもたくさんありました。食事を抜かれることも」
「そ、それは躾けの一部だ。お前に期待していたからこそ、強く言うこともあった」

 その口ぶりに、思わず唇を噛みしめる。

 期待していたですって?
 都合よく利用していただけでしょう。

「あなたはこれまで、私より姪のセリスを特別扱いしてきました。セリスには何でも買い与えるのに、私にはほとんど与えてくれなかった。その理由が、ようやくわかったんです」

 私はまっすぐに父の目を見て告げる。

「私はあなたの子ではなかったのですね」

 父は一瞬目を見開き、すぐに薄笑いを浮かべた。

「ああ、そうだ。だからどうした? 実の娘でもないお前をここまで育ててやったのだぞ。お前は私に感謝して、一生尽くすべきだろう」
「勘違いしないでください。私を育ててくださったのはお母様です。あなたは私とお母様に目もくれず、セリスと叔母様にばかり目を向けていた。お母様に対する暴力も、一度や二度ではありませんわ」
「当たり前だ。お前の母親は、私と結婚する前にお前を身籠っていたんだ。それは裏切りだ。お前の母親がすべて悪い」

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