すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「セリス、何をしているんだ?」

 ざわめきの中から、アベリオの低い声が響いた。
 振り返ると、彼は険しい顔でこちらへ歩いてきた。

 もうアベリオには興味なんてない。
 でも、今だけは利用してあげる。

「アベリオ! 見て、酷いでしょう? レイラにやられたのよ」

 そう訴える私に、彼は冷ややかに言い放った。

「それは、君がわざとやったんだろう?」

 その一言に、空気が凍りつく。

「え……?」
「自作自演ってこと?」
「どういう意味なの?」

 さっきまで同情の眼差しを向けていた人々が、次々と疑惑の声を上げ始めた。


「何を言っているの? アベリオ。私はレイラにやられたのよ。あなたも彼女に裏切られたでしょう?」
「もう君の嘘には騙されないよ、セリス。君はレイラの髪型をして夜に遊び歩いていただろう? そのせいで僕はレイラを失うことになった。君のことを許せない」
「アベリオったら、冗談はやめて……みんなが見ているわ」

 こんなところで変なこと言わないでよ!
 これじゃ私の信用が失われるじゃないの!

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