すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
29、あなたとの未来
エリオスの怪我がすっかり癒えてきた頃、私たちはハルトマン家を訪れた。
屋敷に到着すると、誰もが安堵と喜びに満ちた出迎えをしてくれた。
「本当によかったわ。ふたりとも」
エレノア様は私たちの顔を見ると涙ぐんだ。
あの日、私とエリオスが落下したときに、彼女はショックのあまり失神してしまったらしい。
無事だとわかっても涙を流す日々が続き、私たちの顔を見るまで不安は拭えなかったようだ。
「さあ、お茶にしましょう。都でも有名な菓子職人に作っていただいたお菓子があるのよ」
私の手を引っ張るエレノア様に、ハルトマン侯爵が冷静に制する。
「レイラたちは来たばかりだよ。ゆっくりさせてあげよう」
「そ、そうね。私ったら嬉しくてつい……」
頬を赤らめて笑う彼女に、私とエリオスは顔を見合わせて微笑んだ。
屋敷に到着すると、誰もが安堵と喜びに満ちた出迎えをしてくれた。
「本当によかったわ。ふたりとも」
エレノア様は私たちの顔を見ると涙ぐんだ。
あの日、私とエリオスが落下したときに、彼女はショックのあまり失神してしまったらしい。
無事だとわかっても涙を流す日々が続き、私たちの顔を見るまで不安は拭えなかったようだ。
「さあ、お茶にしましょう。都でも有名な菓子職人に作っていただいたお菓子があるのよ」
私の手を引っ張るエレノア様に、ハルトマン侯爵が冷静に制する。
「レイラたちは来たばかりだよ。ゆっくりさせてあげよう」
「そ、そうね。私ったら嬉しくてつい……」
頬を赤らめて笑う彼女に、私とエリオスは顔を見合わせて微笑んだ。