すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 あなたが男爵家へ嫁いだ日の夜。
 私と伯父様と母は3人で祝杯を上げたわ。

 あなたの結婚祝いよ、レイラ。


 伯父様はあなたを失って、これから絵の依頼をどうしようか悩んでいた。
 これからは私が描くと言ったら、伯父様は感激したわ。

「お前はなんて心優しい子なんだ。それに比べてレイラは自分勝手で可愛げのない子だった」
「本当の娘ではないのだから、仕方ないわよ」

 母がそう言って、私は驚いた。


 えっ……レイラが伯父様の子じゃない?

 私はそのとき初めて知ったの。
 どうりで伯父様があなたをいじめていたわけよ。
 聞けばあなたのお母様は婚姻前に元恋人とのあいだにあなたを身籠っていたそうね。

 汚いわ、レイラ。
 伯父様と結婚したのに、別れた恋人の子として生まれてくるなんて、どれだけ伯父様を侮辱すれば気が済むの?
 あなたって、生まれる前から汚れた人間だったのね。


「まあ、いいさ。レイラを異国の商人に引き渡したら、結構な額になった。何でも買ってやるぞ、セリス」

 伯父様がにこやかにそう言って、私は固まった。
 そして訊ねた。

「伯父様、レイラは男爵様のところへ嫁いだのでは?」
「まさか。あんな醜い腕になった娘を嫁にもらってくれる貴族があるか」
「では、レイラは異国の奴隷に……?」
「あれでも容姿はいい。若いうちなら役に立つだろう」

 それはつまり、大人の遊び相手にされるということだ。

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