すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 扉がノックされ、侍女に伴われてエリオスが入室した。
 サイラスさんが彼の手を引き、私のとなりへと導いて座らせる。
 私が慌てて立ち上がろうとしたら、彼がすぐに声をかけた。

「そのままでいい。君に話がある。すまないが、ふたりにしてもらえないか?」

 エリオスの言葉に従い、サイラスさんと侍女たちは一礼して退室した。

 目の前にはエリオスのためのお茶が置かれている。
 彼がカップに手を伸ばしたので、私はそれを手助けすべきかと思った。
 そのとき、彼の手と私の指先が当たってしまった。


「あ、ごめんなさい」
「大丈夫だ。俺はすべて自分でできるんだ」
「余計なことをしてしまったわ」
「気遣いはありがたく受けとっておくよ」

 エリオスは穏やかに微笑んだ。
 私は少し気まずさを覚えながら、先ほどのことを切り出した。

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